無線LANのメリットや運用の注意点、電波や規格などの用語、要件定義や基本設計から
設定・構築・テストにいたるまで、たくさんのことをまとめています。
さらに、Arubaの機器を中心とした無線LANの設計と設定を解かりやすく解説しています。

カテゴリ:9.用語 > 9-1 無線LANの用語

CSMA/CAは、無線LANで使用される搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式である。
イーサネットではアクセス制御にCSMA/CDを利用しているが、無線LANではCSMA/CAを採用している。なぜなら、衝突を検出するしくみが不十分(以下の図を参照)で、送信電波も弱いため。
衝突を検知しなくても、衝突を回避する仕組みを持とうというのが、CA(Collision Avoidance)方式。具体的には、通信路が一定時間空いているかを送信の都度確認する。(CD方式は、衝突を検出できるので、毎回の確認は不要)

ただ、いくら回避しようとしても衝突は起こる。かつ、衝突を検知できない。そこで、きちんと受信できたかは、受信側がACK(ACKnowledge)を返すことで確認する。ACKが帰って来ない場合は、再送する。

なんとなくわかりにくいと思うので、簡単に違いを述べる。CSMA/CDはCD(Collision Detection)とあるように、衝突を検知したらジャム信号にてネットワークに流す。これによって衝突したことが分かり、送信者は一定時間を待って再送する。CSMA/CAはCSMA/CDとは逆で、成功したらACKを返す。送信者は、受信者からのACKを受け取らない場合に一定時間を待って再送する。(CSMA/CD方式に関してはCSMA/CD方式記事を確認してください。)


無線


AはBとCが通信していることがわからない。このように、衝突を検出することは難しいというか工夫がいる。

→RTS/CTS制御
※これは、CSMA/CA方式に置き換わるのではなく、CSMA/CA方式+RTS/CTS制御である。


 情報処理技術者試験では、無線LANのローミング機能を「異なるアクセスポイントのエリアに端末が移動しても、そのまま通信を継続できるようにする機能(H16NW午前 問40)」と述べている。
 この機能はなかなか便利である。あまりないだろうが、パソコンを持って1階から2階に上がるとき、APが自動で切り替わるローミングにより、通信が(ほとんど)切れない。
携帯電話ではローミングの機能により、新幹線などの高速移動通信中でも通信の継続性を保っている。
Q. ローミングを処理しているのは以下のどれ?
 ア AP
 イ パソコンの無線LANカード
 ウ 無線LANコントローラ
 ローミングはAPではなく、パソコンの無線LANカードでの処理である。無線LANカードが、常にAPから電波を受信し、電波の強いAPと自動で接続しているだけである。だから、例えば移動していなくても、接続しているAPがダウンしたら、自動的に違うAPと接続を始める。
 ローミングするためには、SSIDや認証キーなどを合わせておく必要がある。
Arubaの場合は、ローミングの設定というのはなく、同じ仮想AP(Virtual AP)内であれば自動でローミングする。
g

ローミングすると、APが変わりますよね。
TLSなどの証明書がらみの場合、認証が再度実行されると思いますが、その切り替えもスムーズにできるんでしょうか?


再認証は走らない。APは単なる通路の役割であり、認証キーなどはWLCが保持している。切り替わり時間はほとんど無い。
無線IP電話でも、通話を切らずに可能。

IEEEの読み方は、「アイイーイーイー」ではなく「アイトリプルイー」と読もう。
IEEE(米国電気電子学会)は、学会である。1980年2月からスタートしたIEEE802委員会では、LANやWANなどのネットワークに関するの規格を定めており、その中で無線LANの規格がIEEE802.11で始まる規格である。
 無線LANの仕組みや規格を、各メーカーがバラバラに作っていては、相互通信ができない。IEEE802.11の委員会は、無線LANの標準化という意味で、とても意義のある委員会である。

5GHzの周波数帯を使い、最大6.93Gbpsのスピードを実現する規格。2013年にCiscoやArubaなどを含む各社が商品をだすことであろう。
スマホやタブレットなどの端末側も、半分以上の機種が11acに対応しているとか。

高速化の仕組み
11nの技術をさらに進化させている。

チャネルボンディング 
 11nのときの40MHzをさらに拡大し、80MHzや160MHzまで拡大。 

MIMO  
 11nのときの最大4ストリームから、8ストリームに拡大。

無線LANの速度をこれまでの11a/gの54Mbpsから最大600Mbpsまで拡張させた仕組みである。※ただ、11n対応ならすべて600Mbpsというわけではない。製品としては450Mbpsが最高である(H24.7月時点)。また、実際には150Mbpsが多いだろう。

■1.高速化の概要
詳しくは後述するが、簡単にいうと以下。
1)技術革新により、54Mbpsを72Mbpsに高速化
2)チャンネルを2倍に束ねて送信 → 72M x 2 +α=150Mbps ・・・チャネルボンディング
3)アンテナを複数にして同時送信 → アンテナを2倍にすることで150M x 2=300Mbps、3倍で450Mbps、4倍で600Mbps ・・・MIMO 

■2.高速化の技術
基本的な技術は①MIMOと②チャネルボンディングの2つだ。加えて③GI(ガードインターバル)、④フレームアグリゲーションがある。
以下に解説する。

(1)MIMO(Multiple Input Multiple Output)
MIMOの言葉通り、Multiple(多く)の電波のInput(入力)とMultiple(多く)の電波のOutput(出力)である。MIMOはアンテナを複数に束ねて高速化する。複数のアンテナで同時に送信したら、早くなるよねー。という理論である。※チャンネルは同一。

以下は、ArubaのAPとMIMOの状態の例である。
機種AP-105AP-125AP-135
MIMO2x2MIMO
2ストリーム
3x3MIMO
2ストリーム
3x3MIMO
3ストリーム
アンテナ内蔵拡張(3基)内蔵
最大速度300Mbps300Mbps450Mbps
2x2は、送信用アンテナ2本、受信用アンテナ2本という意味。
i

ということは、2x2で、4本のアンテナがあるということですか?




そう思って間違いではない。ただ、AP-125のように、1本で送受信を兼ねている場合、3x3でもアンテナは3本だ。また、AP135のように内蔵アンテナの場合、アンテナがどうなっているかはわからない。
それと、注意すべきは、MIMOによる高速化はストリームで考える。
AP125であれば、3x3だが、ストリームは2なので、最大速度は300Mbpsである。アンテナが多くても、実際に多重しなければ高速化されない。どれだけ多重化しているかがストリームである。

e
なるほど、MIMOのアンテナは物理的なものを言っているのですね。
でも、MIMOは同じチャンネルで多重するんですよね?
そうなら干渉するからアンテナを増やしても同じでは?



その疑問はその通りだけど、干渉するとかそういう次元ではない。(後日詳しく記載予定)

(2)チャンネルボンディング
bondは「結ぶ」という意味で、bondingは「結びつける」と考えればいいだろう。チャンネルを複数結びつけるという意味だ。チャンネルを複数に束ねて高速化する。通常は20MHzの幅で通信するが、チャンネルをボンディングして倍の40MHzの幅で送信すると速度も2倍になるという計算である。

f 
 

たしかに、束ねたほうが高速化するのは当然だと思います。
でも、電波干渉はしないのですか?



そう。電波干渉はする。だから、チャンネルボンディングをすると、使用できるチャンネル数が減る。11b/gであれば、3チャンネルではなくて2チャンネル(or 1ch)しか利用できない。

c 
えー
だったら、11nを使っても、使えるチャンネルが減るから結局は一緒では?
だって、 密集エリアにて、11gを1、6、11の3チャンネルでAPを配置している場合、11nで使用できるチャンネルが減ったら、設置できるAPも減りますよね? 

確かにその通り。だから、11b/gはMIMOだけを使用してチャネルボンディングを使わないとか、11nは11aの5GHzにみで使うことが多くなるだろう。または、大人数で使うのではなく、少人数で少ないチャネルで使う場合には有効だろう。

(3)GI(ガードインターバル)の短縮
ガードインターバル(GI:Guard interval)とは、干渉を防ぐための冗長な部分である。無線の電波は、直接届くもの以外に、反射して遅れて届くものもあり、それが干渉になることがある。これを防ぐために冗長な部分を用意している。
11a/gの800ナノ秒を、11nでは400ナノ秒に設定できる。

(4)フレームアグリゲーション

要確認ではあるが、GIとフレームアグリゲーションで、54M→72Mに高速化すると思われる。

ARUBAのAPにて、これら3つの設定がどうなっているのかを後日掲載予定。

(2)チャンネルボンディング
 ボンディング(bonding)とは、結合という意味。サーバのNICを束ねるチーミング(teaming)をボンディングということもあり、こちらも「束ねる」という意味では同じ概念である。
 ボンディング技術により、チャンネルを複数に束ねて高速化する。通常は20MHzの幅で通信するが、チャンネルをボンディングして倍の40MHzの幅で送信すると速度も2倍になるという計算である。

f 
 

たしかに、束ねたほうが高速化するのは当然だと思います。
でも、電波干渉はしないのですか?



そう。電波干渉はする。だから、チャンネルボンディングをすると、使用できるチャンネル数が減る。11b/gであれば、3チャンネルではなくて2チャンネルしか利用できない。
c 
えー
だったら、11nを使っても、使えるチャンネルが減るから結局は一緒では?
だって、 密集エリアにて、11gを1、6、11の3チャンネルでAPを配置している場合、11nで使用できるチャンネルが減ったら、設置できるAPも減りますよね? 

確かにその通り。だから、11b/gはMIMOだけを使用してチャネルボンディングを使わないとか、11nは11aの5GHzにみで使うことが多くなるだろう。または、大人数で使うのではなく、少人数で少ないチャネルで使う場合には有効だろう。

Arubaの設定を見てみよう。
Configuration > AP Group > Edit "該当Profile" >Wireless LAN > Virtual AP >SSID Profile> High-throughput SSID Profile
cb












「40 MHz channel usage」のチェックボックスを入れるとチャネルボンディングが有効になる。
以下はinSSIDerで確認した電波だ。
左側はチャネルボンディング無。右側が有り。
右側は2つのチャンネルをまたがって使っていることが分かる。
cb2





IEEE802.11nには3つのフレームフォーマットがある。
Legacy mode 
11a/b/gと同じフレームフォーマット。ArubaでいうNon-HT(High Throughput) format

Mixed mode
11a/gが理解できる11nのフレームフォーマット。ArubaでいうHT(High Throughput) Mixed Format

Greenfield mode
11n専用フレームフォーマット。ArubaでいうHigh Throughput (HT) 

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